2019年11月28日
正当化するための議論は不毛な議論
「成果のあがらないもの,希望のないもの,
報われないものを継続すべきことを正当化す
るための議論が,言い訳以上のものであるこ
とはあまりない。」
創造する経営者P190
「成果のあがらないもの,希望のないもの,
報われないもの」であるにも関わらず,なか
なか廃棄することが出来ないのが人間かも知
れません。
典型的なのがサンク・コストの問題です。
例えば,Aプロジェクトに10億円投資しまし
たが,成果があがりません。
あと4億円追加投資すれば,30%の確率で成
功し投資金額を回収できますが,何もしない
とプロジェクトは失敗し,2億円の撤退費用
がかかります。
さて,あなたは追加投資に応じるべきでしょ
うか?
この問題は,正解のない問題です。
実際に追加投資をして損失を挽回した事例も
あることでしょう。
しかし,この問題をサンク・コストの問題と
して捉えるのであれば,追加投資に応じない
が正解となります。
7割の確率で失敗するわけですから,4億円×
70%=2.8億円が期待値です。
何もしないと撤退費用に2億円かかります
が,0.8億円得するわけです。
この問題の場合,追加投資に失敗しても,
撤退するにしても,最初に投資した10億円に
変化はありません。
合理的な判断をするのであれば,10億円はサ
ンク・コストとして無視し,投資に失敗した
場合と単純に撤退した場合のコストを比較し
て得な方を選択するのが正解となります。
ところが単純にいかないのが人間です。
どうしても,最初に投資した10億円という
数字が合理的な判断をするのを邪魔するわけ
なんですね。
これは,どうしたもんでしょう?
人間がサンク・コストの問題を苦手とするの
は,子育ての論理に関係すると思われます。
いまの問題を子供に置き換えるとどうなるで
しょうか?
かなり不適切な表現となりますが,お許し願
います。
あなたの手塩をかけて育てた子供が事故に遭
いました。
あと4億円医療費を払えば,30%の確率で成
功し助かります。
何もしないと死亡し,2億円の葬式費用がか
かります。
このような問題であれば,なんとか4億円調
達しようと必死になると思います。
サンク・コストの問題として処理すれば,葬
式費用の方が正解となりますが,人道的に明
らかに反していますね。
もちろん,投資と子育てとは違います。
しかし,投資と子育てとは違うと頭で理解出
来ていても,実際の判断となると子育ての論
理で物事を判断してしまうのが人間なのかも
知れません。
脳の直感的な判断が,投資と子育てとは違う
と認識しているにも関わらず,投資の問題を
子育ての問題に勝手にすり替えているように
すら思えます。
確かに,このように直感的に判断すること
は,我々の遺伝子を将来に残す上で,有利に
働いたことは間違いありません。
しかし,投資の問題にも,本能的に子育ての
論理が潜在意識として根を深くおろしている
のは,困ったものかも知れませんね。
「継続すべきことを正当化するための議論」
は,子育て理屈でしているのか,それとも,
合理的な判断で議論しているのかを見極めな
いといけないということでしょうね。
人間は廃棄より継続を好む習性があります。
この誘惑を断ち切れるかどうかが成果をあ
げるか,あげないかの分かれ目なのかも知れ
ません。
あなたは,大丈夫でしょうか?
正当化するための議論は,本当に当を得るものに
なっているでしょうか?
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ライン公式アカウント「@zeimu110」
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まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人
発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
(ドラッカー学会会員)
〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38
お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22
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るための議論が,言い訳以上のものであるこ
とはあまりない。」
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報われないもの」であるにも関わらず,なか
なか廃棄することが出来ないのが人間かも知
れません。
典型的なのがサンク・コストの問題です。
例えば,Aプロジェクトに10億円投資しまし
たが,成果があがりません。
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功し投資金額を回収できますが,何もしない
とプロジェクトは失敗し,2億円の撤退費用
がかかります。
さて,あなたは追加投資に応じるべきでしょ
うか?
この問題は,正解のない問題です。
実際に追加投資をして損失を挽回した事例も
あることでしょう。
しかし,この問題をサンク・コストの問題と
して捉えるのであれば,追加投資に応じない
が正解となります。
7割の確率で失敗するわけですから,4億円×
70%=2.8億円が期待値です。
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が,0.8億円得するわけです。
この問題の場合,追加投資に失敗しても,
撤退するにしても,最初に投資した10億円に
変化はありません。
合理的な判断をするのであれば,10億円はサ
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場合と単純に撤退した場合のコストを比較し
て得な方を選択するのが正解となります。
ところが単純にいかないのが人間です。
どうしても,最初に投資した10億円という
数字が合理的な判断をするのを邪魔するわけ
なんですね。
これは,どうしたもんでしょう?
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は,子育ての論理に関係すると思われます。
いまの問題を子供に置き換えるとどうなるで
しょうか?
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います。
あなたの手塩をかけて育てた子供が事故に遭
いました。
あと4億円医療費を払えば,30%の確率で成
功し助かります。
何もしないと死亡し,2億円の葬式費用がか
かります。
このような問題であれば,なんとか4億円調
達しようと必死になると思います。
サンク・コストの問題として処理すれば,葬
式費用の方が正解となりますが,人道的に明
らかに反していますね。
もちろん,投資と子育てとは違います。
しかし,投資と子育てとは違うと頭で理解出
来ていても,実際の判断となると子育ての論
理で物事を判断してしまうのが人間なのかも
知れません。
脳の直感的な判断が,投資と子育てとは違う
と認識しているにも関わらず,投資の問題を
子育ての問題に勝手にすり替えているように
すら思えます。
確かに,このように直感的に判断すること
は,我々の遺伝子を将来に残す上で,有利に
働いたことは間違いありません。
しかし,投資の問題にも,本能的に子育ての
論理が潜在意識として根を深くおろしている
のは,困ったものかも知れませんね。
「継続すべきことを正当化するための議論」
は,子育て理屈でしているのか,それとも,
合理的な判断で議論しているのかを見極めな
いといけないということでしょうね。
人間は廃棄より継続を好む習性があります。
この誘惑を断ち切れるかどうかが成果をあ
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Posted by Druckerian at 10:30│Comments(0)