2022年08月04日
働く人の満足と生産性のバランスを考える
「働く者が満足しても,仕事が生産的に行わなけ
れば失敗である。逆に仕事が生産的に行われても,
人が生き生きと働けなければ失敗である。」
(マネジメント基本と原則P57)
いわゆるブラック企業を巡って,いろいろと話題
になっています。
働く者と生産性のバランスが崩れると問題を起こ
すということですが,なかなか両者のバランスを
取るのは難しいですね。
歴史を振り返ると,働く人の満足は,あまり重視さ
れず,一部の特権階級が,仕事を奴隷に押しつける
ことによってバランスを保っていた階級社会が存
在し,今でもしぶとく生き残っていますね。
これは,ある意味人間の本質なのかも知れません。
そもそも,人類の祖先であるサルもボス猿を中心
とする階級社会ですからね。
食糧供給が安定しなければ,食糧には限りがあり
ます。
では,限られた食糧を誰が優先的にありつけるのか?
当然ながら,力の強い個体であるボス猿です。
そして,交尾をする回数が最も多く,子孫を残す
チャンスが多いのもボス猿です。
階級社会が生まれた背景には,いろいろな要因が
あると思いますが,基本的にはサル山の論理がそ
のまま人間社会にあてはまったということになる
でしょう。
食料供給が安定し,より高度な文明を築くには,
身体的な能力はもう一つでも,手先が器用な人間
や記憶力の優れた人間など,多様な人間を必要と
します。
ところが,限られた食糧で,人類という遺伝子を絶
滅させずに残すには,なるべくなら,腕力が強く健
康で長寿な遺伝子を優先的に残すというのが正解
なのかも知れません。
人道的見地の問題からすれば,大いに問題有りま
すが,サル山社会を見る限り,原始的な人間も
そのように行動してきたと推測されるように思い
ます。
風通しの良い組織は,大丈夫ですが,残念ながら
未だに多くの組織では,ボスを批判することは所
属している組織から追放されることを意味します。
食糧事情がよくない時代に組織から追放されたら,
食糧の分配にありつけず,死を意味しました。
階級社会には,人道的な矛盾を抱えていますが,
それを是としてきた理由は,組織からの疎外が死
と隣り合わせだったことに起因するように思います。
しかし,少なくとも先進国では餓死は非現実的と
なりました。
いまや,肥満を起因とする成人病が死亡原因と
なっている時代です。
従業員が経営陣に対して,ブラック企業と堂々と
批判出来るようになったのも,餓死と隣り合わせ
ではなくなった社会だから出来るわけです。
しかし,われわれは,サル山の社会構造を無意識の
うちに築いてしまうのかも知れません。
相当な努力をしないと働く人の満足と生産性のバ
ランスを保つことは難しいわけで,未だにブラッ
ク企業がのさばっていることを考えると,サル山
社会の呪縛を断ち切るのが難しいことを意味して
いるように思います。
これを解決するのは至難の技ですが,解決の糸口
となるヒントがあります。
「顧客が企業の土台として企業の存在を支える。
顧客だけが雇用を創出する。」(現代の経営上P47)
とする考え方です。
働く人が満足するのか?
生産性をいかに向上させるか?
これらは,全て企業内部から出てくる発想です。
そうではなく,全てはお客様のためにあるという
外部からの要求に答えるという発想です。
働く人の満足は,働く人の自己満足ではなく,顧客
の満足を通して,働く人が仕事に誇りを持ち,結果
的に働く人の満足を満たしていくという一瞬遠回
り的な発想です。
企業の業績をあげるために,生産性を向上させる
のではなく,顧客を満足させるために生産性を向
上させるという発想です。
われわれは,放っておくと一部の人間が満足し,一
部の人間に苦難を押しつけるサル山社会を築いて
しまいます。
それゆえに,第三者(企業でいえば顧客)の視点を
通して,働く人と生産性のバランスをとっていく
必要があるように思います。
逆に,これが難しいからこそ,両社のバランスを克
服した企業は強いということでしょうね。
さて,あなたはどんな発想で仕事をしているでし
ょうか?
サル山社会の発想でしょうか?
それとも,顧客の視点を通した発想になっている
でしょうか?
なかなか難しいことですけどね。
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川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com
ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人
発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38
お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22
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人が生き生きと働けなければ失敗である。」
(マネジメント基本と原則P57)
いわゆるブラック企業を巡って,いろいろと話題
になっています。
働く者と生産性のバランスが崩れると問題を起こ
すということですが,なかなか両者のバランスを
取るのは難しいですね。
歴史を振り返ると,働く人の満足は,あまり重視さ
れず,一部の特権階級が,仕事を奴隷に押しつける
ことによってバランスを保っていた階級社会が存
在し,今でもしぶとく生き残っていますね。
これは,ある意味人間の本質なのかも知れません。
そもそも,人類の祖先であるサルもボス猿を中心
とする階級社会ですからね。
食糧供給が安定しなければ,食糧には限りがあり
ます。
では,限られた食糧を誰が優先的にありつけるのか?
当然ながら,力の強い個体であるボス猿です。
そして,交尾をする回数が最も多く,子孫を残す
チャンスが多いのもボス猿です。
階級社会が生まれた背景には,いろいろな要因が
あると思いますが,基本的にはサル山の論理がそ
のまま人間社会にあてはまったということになる
でしょう。
食料供給が安定し,より高度な文明を築くには,
身体的な能力はもう一つでも,手先が器用な人間
や記憶力の優れた人間など,多様な人間を必要と
します。
ところが,限られた食糧で,人類という遺伝子を絶
滅させずに残すには,なるべくなら,腕力が強く健
康で長寿な遺伝子を優先的に残すというのが正解
なのかも知れません。
人道的見地の問題からすれば,大いに問題有りま
すが,サル山社会を見る限り,原始的な人間も
そのように行動してきたと推測されるように思い
ます。
風通しの良い組織は,大丈夫ですが,残念ながら
未だに多くの組織では,ボスを批判することは所
属している組織から追放されることを意味します。
食糧事情がよくない時代に組織から追放されたら,
食糧の分配にありつけず,死を意味しました。
階級社会には,人道的な矛盾を抱えていますが,
それを是としてきた理由は,組織からの疎外が死
と隣り合わせだったことに起因するように思います。
しかし,少なくとも先進国では餓死は非現実的と
なりました。
いまや,肥満を起因とする成人病が死亡原因と
なっている時代です。
従業員が経営陣に対して,ブラック企業と堂々と
批判出来るようになったのも,餓死と隣り合わせ
ではなくなった社会だから出来るわけです。
しかし,われわれは,サル山の社会構造を無意識の
うちに築いてしまうのかも知れません。
相当な努力をしないと働く人の満足と生産性のバ
ランスを保つことは難しいわけで,未だにブラッ
ク企業がのさばっていることを考えると,サル山
社会の呪縛を断ち切るのが難しいことを意味して
いるように思います。
これを解決するのは至難の技ですが,解決の糸口
となるヒントがあります。
「顧客が企業の土台として企業の存在を支える。
顧客だけが雇用を創出する。」(現代の経営上P47)
とする考え方です。
働く人が満足するのか?
生産性をいかに向上させるか?
これらは,全て企業内部から出てくる発想です。
そうではなく,全てはお客様のためにあるという
外部からの要求に答えるという発想です。
働く人の満足は,働く人の自己満足ではなく,顧客
の満足を通して,働く人が仕事に誇りを持ち,結果
的に働く人の満足を満たしていくという一瞬遠回
り的な発想です。
企業の業績をあげるために,生産性を向上させる
のではなく,顧客を満足させるために生産性を向
上させるという発想です。
われわれは,放っておくと一部の人間が満足し,一
部の人間に苦難を押しつけるサル山社会を築いて
しまいます。
それゆえに,第三者(企業でいえば顧客)の視点を
通して,働く人と生産性のバランスをとっていく
必要があるように思います。
逆に,これが難しいからこそ,両社のバランスを克
服した企業は強いということでしょうね。
さて,あなたはどんな発想で仕事をしているでし
ょうか?
サル山社会の発想でしょうか?
それとも,顧客の視点を通した発想になっている
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Posted by Druckerian at 19:51│Comments(0)